スキンサイクリングとエンビロンのステップアップは何が違うのか
SNSで広まったスキンケアメソッド「スキンサイクリング」と、エンビロンの「ステップアップシステム」。どちらも肌に無理をさせない進め方に見えますが、設計の考え方は別物です。両者の仕組みと共通点を、事実ベースで整理します。
SNSをきっかけに「スキンサイクリング(skin cycling)」というスキンケアの進め方が広く知られるようになりました。曜日ごとに使うものを入れ替え、あいだに「何もしない日」を挟むという方法です。
エンビロンにも、ビタミンA*配合製品を段階的に進めていく「ステップアップシステム」という仕組みがあります。どちらも「肌に無理をさせない進め方」という点で似て見えるため、「スキンサイクリングのやり方でエンビロンを使えばいいのか」と混同されることがあります。
結論から言うと、この2つは別の設計思想に立った、別のアプローチです。どちらが優れているという話ではなく、そもそも調整している対象が違います。この記事では、両者が何をどう組み立てているのかを整理します。
※ 本記事中の「ビタミンA」に付く記号 * は、公式表記にならい「整肌成分」であることを示します。
スキンサイクリングとは、どういう方法として説明されているか
スキンサイクリングは、米国の皮膚科医 Dr. Whitney Bowe 氏が提唱したスキンケアの組み立て方です。TikTokで同氏が紹介した「クラシック」な4日サイクルが広まったことで、一般にも知られるようになりました。
考案者の解説によれば、基本形は夜のケアを4日周期で回すものです。
| 夜 | すること |
|---|---|
| 1日目 | 角質ケア(AHA・BHA・PHAなどの酸を用いる製品) |
| 2日目 | レチノイドを使う |
| 3日目・4日目 | リカバリー(保湿・バリアケアに専念し、酸もレチノイドも使わない) |
そして再び1日目に戻る、というサイクルです。
同氏はリカバリーの日を設ける理由について、運動にたとえて「筋肉に回復日が必要なように、肌にも回復の日があってよい」という趣旨の説明をしています。また、レチノイドについては「頻繁に使いすぎたり、刺激になりうる成分と重ねたりすると、結果ではなく刺激を招くことになる人が多い」と述べています。敏感な肌向けの穏やかな組み方や、慣れた人向けの組み方といったバリエーションも紹介されており、湿疹などの症状がある場合は医師に相談してから始めるよう案内されています。
ここで押さえておきたいのは、スキンサイクリングは特定の製品を指す言葉ではなく、手持ちのアイテムをいつ使うかを決めるスケジュールの枠組みだという点です。当サイトはこの方法の効果について評価する立場にはありませんので、あくまで「そういう組み立て方が提唱され、広まっている」という事実としてご紹介します。
エンビロンのステップアップシステムは何を調整しているか
一方、エンビロンのステップアップシステムは、公式に「ビタミンA*(パルミチン酸レチノールなど)の濃度を段階的に高めていく」仕組みとして説明されています。
低い配合濃度の製品から使い始め、肌の慣れ具合を見ながら、より濃度の高いステップの製品へ進んでいく——調整しているのは使う日と休む日の配分ではなく、使うものの濃度です。基本的には毎日のケアとして続けることを前提に、その中身を時間をかけて入れ替えていく形になります。
もうひとつの特徴は、進むタイミングを自己判断で決めない設計になっていることです。公式でも「カウンセリングを通じて肌を定期的にチェックしましょう」と案内されており、製品の買い替えのタイミングで肌の状態を見てもらい、同じステップを続けるか次に進むかを相談するのが一般的な進め方です(詳しくはステップアップはいつ・どうやってすればいいですか?)。
「休む日をつくる設計」と「濃度を上げていく設計」
両者を並べると、違いは次のように整理できます。
| スキンサイクリング | ステップアップシステム | |
|---|---|---|
| 調整しているもの | 使う日と休む日の配分(頻度) | 使う製品の濃度 |
| 時間軸 | 数日単位の周期を繰り返す | 数か月〜年単位で段階を進む |
| 前提になる使い方 | 日によって使うものを入れ替える | 継続して使い、中身を入れ替えていく |
| 進め方の決め方 | 枠組みに沿って自分で組み立てる | カウンセリングで肌の状態を見てもらいながら決める |
| 対象 | 特定ブランドに限らない一般的な枠組み | エンビロンの製品ラインに沿った仕組み |
「肌への負担を抑えながら進める」という目的地が似ているため混同されやすいのですが、片方は時間の使い方を、もう片方は濃度を設計変数にしています。したがって「スキンサイクリング式にエンビロンのビタミンA製品を週1回だけ使う」といった置き換えは、ステップアップシステムが想定している使い方とは異なるものになります。使い方に迷う場合は、自己流で組み替える前に購入したサロンに確認してください。
共通しているのは「刺激を我慢して続けない」という前提
設計は違いますが、共通している考え方もあります。どちらも「刺激をこらえて使い続ける」ことを前提にしていないという点です。
スキンサイクリングの考案者は、刺激になりうるものを重ねすぎると結果ではなく刺激につながると説明し、肌の様子に合わせて組み方を変えることを勧めています。エンビロンでも、ビタミンA*に肌が慣れる過程で一時的に赤み・乾燥・皮むけなどが生じる場合があること(いわゆるA反応)が知られていますが、症状が強い場合や長く続く場合は使用を中止し、購入したサロンまたは皮膚科医に相談することが案内されています。
「がんばって耐えれば慣れる」という発想は、どちらの枠組みにも入っていません。肌に異変を感じたときに立ち止まる、という点は共通の前提として押さえておくとよいでしょう。
レチノイドとエンビロンのビタミンAは同じものではない
もうひとつ、混同されやすい点に触れておきます。スキンサイクリングの文脈で「レチノイドの日」と語られるものと、エンビロンのビタミンA*配合製品は、同じものではありません。
「レチノイド」はビタミンA関連成分の総称で、皮膚科で処方される医薬品(トレチノインなど)から、化粧品に配合される成分までを含む幅の広い言葉です。エンビロンのビタミンA*として配合されているパルミチン酸レチノールなどは化粧品の成分であり、医薬品とは位置づけが異なります。この違いはそれ自体で1本の記事になる話題なので、ここでは「ひとくくりにできない」ことだけ確認しておきます。
なお、皮膚科で処方されたレチノイドを使用中の方は、自己判断で併用しないでください。判断は処方した医師に確認する必要があります(皮膚科で処方されたレチノイド(トレチノイン等)と併用できますか?)。
情報の集め方として、どう付き合うか
SNSで流れてくる情報は、発信者の肌質・使っている製品・季節といった前提が省かれた状態で届きます。エンビロンを使う場合、あるいはこれから始める場合は、次のように整理しておくと迷いにくくなります。
- 枠組みと製品仕様を混ぜない——他所で紹介されている使用頻度を、そのままエンビロンの製品に当てはめない
- 今使っているものを全部伝える——他ブランドの酸やレチノール配合品を併用している場合は、カウンセリングで必ず共有する
- 迷ったら進めない——ステップアップのタイミングは、肌の状態を見てもらってから決める
これから始める方は、まず何から始めればいいですか?とカウンセリングを受けないと購入できませんか?もあわせてご覧ください。使い方の相談先は、製品を購入した(あるいはこれから購入する)取扱いサロンです。
本記事は、エンビロン公式サイトのステップアップシステムに関する記載(environ.jp/stepup)および、スキンサイクリングの考案者である Dr. Whitney Bowe 氏の公開解説をもとに構成しています。当サイトは非公式のポータルであり、スキンサイクリングの効果を評価・推奨するものではありません。
文・監修: environ.salon 運営事務局
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